去る8月19日、当協会最高齢会員山本玲子さんが享年92歳で逝去なさいましたので、謹んでご報告し、ご冥福をお祈り申し上げます。故山本玲子さんは、1998年日本語教師としてタリン市ヤルヴェオッツァ高校に就任なさったご主人である故山本英二さんと共にエストニアに渡り、ご主人の側で茶道や、着付け、生花など、日本文化の紹介を実践なさいました。
また、現在タリンの春の観光スポットともなっている日本大使館前の桜の発起人のおひとりでもあります。玲子さんのアイディアから当協会(当時は本部が釧路市にあった)は釧路と東京で寄付金を集め、北海道の大蝦夷山桜を200本寄贈しました。
詳しくは こちら
また、私生活では幼い頃から続けてきたダンスの素養を生かして、現地のダンスグループ「Sõprus」に入団。楽しく踊っている様子もビデオで拝見しました。
写真は会場参加者、オンラインにはさらに15名の参加がありました。
5月27日から2週間、東京青山のスパイラルギャラリーで35年前に行われた「人間の鎖・The Baltic Way」を記念した写真展が開かれました。KGBに逮捕される危険に晒されながら、密かにソ連時代のバルト三国の市民の生活をカメラに収め続けた、17人の写真家たちの貴重な作品200点が展示されました。
日常の大切さ、表現の自由、芸術の社会的役割に焦点を当てた写真展でした。一見古い昔の生活の写真のように見えましたが、当時の緊迫した環境下で写真を撮ることも監視されていたことを知って、それぞれの写真を見ると、いかに恐ろしい空気に晒された生活を強いられていたかを感じることができ、胸が詰まる思いのする写真ばかりでした。
写真展の結果報告が公開されています。
7月17日、エストニア発祥の世界ごみ拾い運動WORLD CLEANUP DAYのグローバル主催団体Let’s Do It Worldの代表である、ヘイディ・ソルバ氏が来日し、エストニア大使館と環境省を表敬訪問しました。
マルティンソン大使とソルバ氏は旧知の仲で、久しぶりの再会を喜んで話が弾んでいましたが、お二人の会話の中で出た日本を表現する言葉として「Another Planet」が使われていました。
皆さんはこの言葉、どう解釈しますか?
1989年8月23日、エストニアのタリンからリトアニアのヴィリニュスまでの600kmを200万人のバルト三国の国民が手を繋いで、鉄のカーテンの向こう(西側の国々)に存在を示し、ソ連の支配からの自由を求める運動を起こしました。「The Baltic Way・人間の鎖」、それは自由を求める行動であると同時にバルトの人々のアイデンティティを讃える力強い表現であり、西側諸国に大きな衝撃を与えました。
それは、ソ連とドイツがバルト三国をソ連の勢力圏に含めることを決めた秘密議定書が含まれた独ソ不可侵条約の締結(1939年8月)から50年目を機に行われましたが、今年はそれから35周年目にあたる記念の年です。世界のあちこちで戦争や紛争が目立ってきたこの時期、決して忘れてはいけない出来事を日本でも、と東京在住のバルト三国出身のみなさんが「人間の鎖」を日本で!と立ち上がりました。世界の各地でも開催されます。
一緒に「人間の鎖」を作りませんか?
8月31日(土) 会場 お台場海浜公園
16:00 子供向け人形劇「LOTTE」
17:00 ピクニック Baltic Chain (お弁当・敷物持参)
俳優Heino Seljamaaさんによる、エストニアの子供達に人気キャラクター「LOTTE」の人形劇も開催されます!(エストニア語です)
参加希望の方は事務局eesti@j-efa.comまでご一報ください。
おそらく一生に一度の「人間の鎖」体験です。バルト三国の皆さんとご一緒にどうぞ!
講師の皆さんのご都合で間が空いてしまったエストニア文化セミナーですが、秋からの予定をお知らせします。
9月26日 (木) 18:30〜20:00 エストニア最新事情 (予定・ハイブリッド)
この夏にエストニアに行った会員・理事によるコロナ後のエストニアの様子をレポートしてもらいます。
10月12日 (土) くにたち映画祭 (映画鑑賞と解説)
第一部
10:00〜 映画鑑賞 「1944 独ソ・エストニア戦線」
11:45〜 解 説 吉野忠彦JEFA会長
第二部
13:15〜 映画鑑賞 「1944 独ソ・エストニア戦線」
15:00〜 解 説 小森宏美早稲田大学教授
10月24日 (木) 18:30〜20:00 小孫哲太郎氏 (陶芸家)
TARTU2024の行事に参加。南エストニアで行ってきたエストニアの穴窯体験談を聞く
11月 18:30〜20:00 篠原健仁氏 (ハイブリッド予定)
バルトのエネルギーその他について
12月 エストニア料理とクリスマス会
9月はエストニアから始まった世界で一斉に地球をクリーンアップ(ごみ拾い)するWORLD CLEANUP DAY(WCD)の月です。
今年は特に国連総会全会一致でWCDが国連デー(9月20日)に決まって初めての活動です。道路や浜辺に落ちているごみを拾っているだけでは分かりにくいのですが、世界190カ国 1,900万人(2023年実績)以上の人々がニュージーランドから始めて、36時間をかけてハワイで終わるというスケールの大きなグリーンウェイブが地球上に出現することを想像してみてください。昨年日本国内では、500カ所16,700人が参加しました。
当協会の活動として、「JEFA X WCDJクリーンアップ」を東京都内2カ所で開催します! 奮ってご参加ください。
9月21日(土)
1) ITOCHU SDGs STUDIO Radio Station 10:00
銀座線 外苑前駅 出口4a 徒歩2分
https://www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/about.html
* 在京のエストニア人の皆さんと一緒に神宮外苑付近のごみ拾いを実施します。
2) 国立市 地域交流の居場所 ひらや照らす 9:00
中央線 国立駅 徒歩12分
東京都国立市富士見台2丁目38−1
* 北岡元前駐エストニア日本国大使のお話があります。
いずれも手袋、トング、ゴミ袋は会場で用意しますので、手ぶら、軽装でお越しください。
参加申し込みは eesti@j-efa.comにお願いします。
東京以外で参加したい方も事務局にお問い合わせください。お近くのグループをご紹介します。
エストニアは大統領も首相も女性ということで、評判になったことは記憶に新しいことだと思いますが、対ロシアに対して強い姿勢で臨んでいたカヤ・カッラス首相はEU首脳会議において、外相級の外務・安全保障政策上級代表に指名されたため辞表を提出。7月23日の新内閣発足に伴い、首相を退任しました。新しい首相はクリステン・ミッハル(Kristen Michal)氏、49歳です。
素晴らしい開会式で始まったパリオリンピックでしたが、チームエストニアの結果は?メダルには届きませんでしたが、各種目で頑張っていました。選手のみなさんがとても楽しそうだったのが印象的でした。
選手村到着事のニュース
https://news.err.ee/1609405372/gallery-estonian-athletes-arrive-at-paris-olympic-village
開会式のニュース
欧州文化首都をご存知でしょうか?1985年に始まった、年毎に指定された5カ所ほどのEU内の都市を会場にして1年間文化交流行事を展開する事業です。日本はEU内ではありませんが、当協会の強力な支援組織である、EU・ジャパンフェスト日本委員会の尽力で1993年から音楽、演劇、ダンス、書画など様々なジャンルのアーティストが参加しています。
今年はエストニア第2の首都タルトゥと南エストニアを会場にしてTARTU2024が行われています。エストニアでは2011年のタリンに引き続いて2カ所目となります。元来エストニアは親日的な国で、文化交流が盛んにおこなわれてきましたが、このTARTU2024での日本との交流が取り上げられ、話題になっています。
まだエストニアにとって日本は遥かに遠い国なのかと思わされますが、日本でも多くのファンがいるフォークシンガーのマリ・カルクンさんは、日本の好きな点を挙げ、ここでも「Another Planet」という表現がされています。やはり、日本は別天地なのでしょうか?
記事では最後にはエストニア人と日本人の共通点も指摘され、良い関係を保っていくことへの期待感があふれています。ぜひご一読ください。
エストニア語学習に有用な会話を中心とした入門書が9月20日に出版されます。Amazonや楽天ブックスなどネット書店で今から予約できます。
この秋、エストニア語の勉強してみませんか?
当協会名誉会員松村一登とタルトゥ大学で日本語教師をしている宮野恵里さんの共著です。