TAMM通信東京版 No.24 2005.4.6

桜もようやく目を覚まし、
春らしくなってまいりました。会員の皆様、お元気で新年度をお迎えのことと思います。さて、事務局の不行き届きでしばらく協会の行事が途絶えており、大変申し訳ございません。エストニア関連情報をお届けいたします。

活動報告


ヤーン・カプリンスキ(Jaan Kaplinski)講演・朗読会

去る11月5日、東京大学法学部の歴史ある大教室にてエストニアを代表する詩人、ヤーン・カプリンスキ氏の講演が行われ、会員から8名が出席しました。「東西の間にいる作家」というタイトルのとおり、東洋思想の影響を受けた自然との共生をテーマとしたその詩の数々を静かな語り口調の朗読を交えて解説、大河ドラマ「義経」の語り手、白石かずこさんも友情出演して場を盛り上げました。経田佑介氏の翻訳による本「カプリンスキー詩集」も出版されています。また、松村教授は最近出版された「詩歌句」にカプリンスキの作品を紹介しています。その記事をPDFファイルデータ(1.5MB)にて頂いていますので、ご希望の方にメールで転送いたします。PEB00110@nifty.comまでお申し出下さい。
JAAN KAPLINSKI(1941年タルトゥ生まれ)

1960年タルト大学歴史言語学部在学中から文学活動開始。父親はユダヤ系ポーランド人、タルト大学でポーランド語の講師をしていたが、ソ連軍に強制連行されたまま帰らなかった。母親は南エストニア・ヴォル地方出身。同氏は「歌う革命」の活動家のひとり、言語学者M・ヒントと親しく、独立回復後1992〜95年まで国会議員として一緒に活動した。多国語に通じており、英語、フランス語、スウェーデン語、スペイン語を始めとするヨーロッパ諸語の詩の他に、漢詩のエストニア語訳も手がけており、「ケルトの神話」「アメリカ・インディアン」「中国古典哲学と詩」が思想・創作の原点になっている。(会員・松村一登東大教授ホームページより抜粋)
詳しくは http://homepage2.nifty.com/kmatsum/kirjandus/JKaplinski.html


お知らせ
おおたか静流さんのCD発売

少女合唱団エレルヘインとCMで活躍している歌手、おおたか静流さんのCDが発売されました。これは昨年おおたかさんが合唱祭ツアーに参加した際、タリンで録音したものです。
タイトル:「リピート・パフォーマンスXふるさと」 Sizzle Ohtaka \3,000 ポニーキャニオン
Amazon.co.jpでも購入できます。

4月より、日本テレビ系 日曜日午後9時54分より森永製菓提供の「エンゼルの住む星」にエレルヘインとおおたかさんが歌っているCMが流れます。

把留都力士(本名オットー・ガイド)から番付表届く

昨年大相撲、三保ケ関部屋に入門した、把留都力士(本名オットー・カイド)から場所前に番付表が届きました。本大阪場所では幕下西三十二枚目で5勝2敗の好成績を残しました。十両昇格は目の前です。今後の活躍を期待し、応援しましょう。応援用のハチマキ(エストニア語でがんばれ!と書いてあります)を無料でお配りしていますので、ご希望の方は事務局までお申し出ください。

Andres Sooneste君からのメール
立命館APU(別府市)の留学生Andres Sooneste君からメールがきました。「エストニアクラブ」を現地で作りたいと頑張っています。英語で励ましのメールを出してあげて下さい。  
アドレス:asooneste@yahoo.com
あのエレルヘインとタリン室内楽団が日本にやってくる

少女合唱団エレルヘイン(8月4日〜13日)とタリン室内楽団(8月31日〜9月4日)が来日します。エレルヘインのチラシが出来てきましたので、郵送の会員の皆さんには同封いたします。メール会員の方は後日タリン室内楽団のチラシとあわせて送りますので、早めにチケットを購入されたい方は下記サイトをご覧下さい。http://www.mandicompany.co.jp/hp2005/live/ellerhein/ell.html
チケット購入は事務局でも受け付けております。  東京事務局PEB00110@nifty.com


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会員 山本英二さんからエストニアの春の話題
3月末、エストニアでは「春を迎える会」というパーティが各所で行われ(ソ連時代は禁止されていました)、会場で春の詩や童話を朗読したり、室内楽の演奏があったり、まだ外は雪景色ですが、彼らの春を待つ切実な気持ちが現れていました。タリンでは、2月になると雪の中から、猫柳が咲き始め、レストランやカフェに飾られます。上記パーティでも会場の玄関に大きな束が置かれていました。その時にお客に供されるのが、シラカンバの樹液です。透明で味は殆ど水です。カナダのメープルジュースは有名ですがしらかんばはエストニアで初めて飲みました。ところが、シラカンバの樹液が北海道で採取され、瓶詰で売られていることを知りました。『学士会館報』2005年1月号によりますと、平成17年4月15日から美深町で「第三回国際樹液サミット」が行われ、フィンランド、ブルガリア、ロシア、カナダ、中国、韓国等の樹液研究者が集まるそうです。日本ではアイヌ人が飲んでいたらしいという伝承があるそうです。私が調べましたら、小樽の(有)さっぷという会社がシラカンバの樹液の瓶詰めを販売しており、東京では東急デパート内の紀伊国屋で売っていました。「森の雫」という商品名です。小樽だと1本(1合)290円ですが、東京では330円もします。今度エストニアに行ったら、シラカンバの樹液はどうして手に入るか調べてみたいと思っています。
上記のお話を聞いて、本部理事木原さんから、北海道では・・
私は春から秋にかけて、よく、山中に仲間と一緒にキャンプを張り、大自然の中で至福の杯をかわすことが多くあるのですが、4月中頃から5月中頃のほぼ1ヶ月の間のウイスキーは、川の水ではなく、シラカンバの樹液で割っていただきます。雪に覆われた長い冬から、だんだんと雪が融け始め、枯れ枝のような樹木の枝からつややかな芽が出始め、残雪を突き破って福寿草が出る、もっとも旺盛に樹木が大地より液状成分を吸い上げる頃がちょうど採取の時期なのです。シラカンバ殿にはちょいと失礼して、ドリルで幹に孔をあけ、そこに筒状のものを差し込んで、出口に大型のペットボトルを置いておくと、ものの1、2時間程度でかなりの量の樹液が採取できます。孔を空けたからといって、その樹木が枯れる心配はないそうで、毎年頂戴しています。
とのこと
5月末の本部総会にはこの樹液を用意して下さるそうです。楽しみですね。近々に釧路訪問のご案内を差し上げます。大勢の参加をお待ちしています。

新入会員 高津鈴子さん
(エストニアにお住まいだったとの事体験談など伺いたいものです)


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