'02年1月23日
17:45






19:00


東京支部 村山、荒井、篠笛演奏者鯉沼廣行氏とお弟子さんの金子由美子さんの4人は成田からフィンランド航空074便に搭乗、エストニアに向かった。

ヘルシンキ経由で現地時間17時45分タリン空港着。空港での出迎えに、ヘイキ(友好協会会長)、タイミ(日本大使館)、ヘイリ(タリンフィル)、エルナ(染織家)、ティモ(エストニア航空)、高橋夫妻(日本語教師)の皆さんがきていました。

宿舎のEelk Usteaduse vangel Instituutに到着、スェーデンから一足先に到着していたJazzベーシシストの森泰人氏と合流。
1月24日
8:00

午後

19:00


23:00

篠笛公演のPRのために午前8時のTV生番組出演
ぶっつけ本番で「古城の月」を演奏
タリンフィルでリハーサル

宿舎でエレルヘインのティア、エステル、ウッレ、リタ、ウウトマ、宮野さんと我々は、持参したおでんでパーティ、盛り上がる。

別便の岩田到着
1月25日
午後

19:00

リハーサルとエレルヘイン練習会場訪問

日本大使館主催夕食会  
参加者 タリンフィル責任者Mr.Juri Leitem Nissan  BalticのMr.&Mrs.Leho Siimsen
大使館から森田瑞穂代理大使、佐藤さん、Taimi(文化担当)さんと我々日本側全員 

夕食後、外はかなりの雪。踏みしめると靴の下で微かに雪のきしむ音がする。大使館の美しいタイミさんと宿舎までの雪の中を歩く。ロマンチックでいい!
1月16日 タリン ニグリステ教会公演 午後6時10分開演

 
開始を告げる鉦
聴衆から20数メートル離れた教会の奥深い通路の彼方から、幽かに篠笛の音。
その音が一歩、また一歩近づく。教会の高い天井に篠笛が一段と高く響くと同時に、回廊の陰から篠笛を肩の高さに奏しながら紋付袴姿の奏者が現れる。

鯉沼氏が笛を奏しながら舞台に立つ頃、着物姿の金子さんが同じ旋律の木魂を響かせながら回廊の陰から現れる。

会場は水を打ったような静寂。1曲目が終わっても物音一つしない。
シーンと張り詰めた雰囲気の中で演奏が続く。
  
   (第一部)
  篠笛演奏
 1.蘭
 2.京の夜
 3.荒城の月
 4.桜に寄す
 5.乱曲
 6.春の舞
 7.小諸馬子唄
 8.竹田地方の子守唄
 9.まほろば

   (第二部)
 コントラバスと篠笛

  1.ベースソロ
  2.東福寺の秋
  3.島原の子守唄
  4.さくら
  5.即興演奏
  6.エレルヘインと
   赤とんぼ
  アンコール曲
   竹の歌
      公演終了後、タリンフィル主催でラエコヤ広場のKarl Friedrichで夕食会。
       帰路、ラエコヤ広場の市庁舎の上に冴え渡る満月を見る。
1月27日 森氏は次の仕事のために帰国、他はそれぞれ自由にTallinnを楽しむ。
1月28日
9:00



正午過ぎ

s








21:00
タルトゥ公演日
VIRUホテル前の駐車場をタクシーで出発。途中ドライバーと気が合い、往復1500クロンということで全行程タクシーで行くことになった。帰路が猛烈な吹雪になったことを考えればこれは正解だった。

延々と続く凍った大地と樹氷を眺めながら、正午過ぎにタルトゥに到着。
昼食後、午後4時まで宮野先生の日本語クラスの有志生徒6人が参加してカルタ取り、コマ回し、鯉沼先生の指導で囃子の練習。
皆がもっとも喜んだのは、釧路本部から頂き持参し、カルタ取りの成績順に贈呈した優美なカレンダー。

タルトゥ公演も聴衆の大きな拍手と熱い感動に包まれた。初めて聴く日本の音にいささか緊張の面持ちで駆けつけた聴衆達は、入り口で折り紙を渡されると、頬に笑みが戻った。まもなくして階段の下から近づいてくる篠笛の音にじっと耳を傾け、美しい日本の響きに満足している人々の穏やかな表情がそこにあった。

演奏を終えて外に出ると、一面深雪。手を振って我々を見送ってくれた宮野先生の凛々しい姿が印象的だった。
1月30日
再訪を約束して思い出の詰まったエストニアをあとにした。
文・写真 村山喜一郎
●翌朝の日刊紙「エエスティ・パエバレフト」は、演奏会の終焉までの2時間を次のように掲載した。

「第一部は、全体的に古典的な雰囲気を醸し出していた。篠笛で演奏されたメロディーの一部は数百年前のフオークロアに見られるものであり、敢えて現代風にアレンジしないで演奏された。結果的に、これが洗練された優美な趣を与えていた。例えば、竹田地方の子守唄では2つの笛が単旋律で演奏されたが、その際に一人がもう一人より僅かに遅れて音を奏でていた。これにより笛の音がまるで森の中を木魂しているように聴こえてきた。いわゆる”自然の共演”の演出と云えるであろう。第二部は、鯉沼廣行と森泰人という二人の名手の共演を見せつけた。また、ほの暗い教会でのスライド上映は日本の歴史的な建築芸術や美しい自然を紹介し、より効果的に盛り立てていた。聴衆約300名満席」